こんにちは、愛弓です。
今回は、私がセラピストになって初めて指名をもらった時のことを書いていこうと思います。
私が初めてお客様に指名してもらったのは、初めてお客様の施術に入ってから、ギリギリ1か月が経たないくらいの頃だったと思います。
その日、新規のお客様が2人、ご来店されました。
2人とも60代男性で、主訴は腰痛。
1人は、たまにマッサージに行く方のようで、ニコニコしてて、かわいいおじいちゃんという印象の方でした。
年代も祖父と同じくらいで、母方の祖母によく似た方でした。
もう1人は、マッサージがほぼ初めての男性で、『腰痛がひどいから、マッサージがよさそうなら定期的に通いたい』と思っていたそうです。
質問には答えてくれるものの、そこまでおしゃべりがしたい雰囲気ではなく、おとなしいタイプの方でした。
今回は、後者の方。
マッサージがほぼ初めての男性で、『腰痛がひどいから、マッサージがよさそうなら定期的に通いたい』と思っていた、おとなしいタイプの60代男性のことを書いていこうと思います。
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初指名|手ごたえがないまま、次回予約・指名をし続けてくれた、60代男性。
施術前に、マッサージに行ったことがないようなお話と、『腰痛がひどいから、マッサージがよさそうなら、定期的に通ってみたいと思ってる』というお話をされました。
まだ指名をされたこともなく、自分の施術に自信のなかった当時の私には、実は、彼の言葉はすごく重たかったんです…。
だって、私が施術したところで、腰痛が楽になる自信なんてないんですよ?
むしろ、他の先輩スタッフが施術すれば、ある程度の変化はあるだろうし、ほぼ間違いなリピーターさんになってくれるんじゃないかなって。
それに、私が失敗すれば、そのイメージが彼の中でマッサージのイメージとして定着してしまう可能性だってあるんです。
だから私には、彼の『良さそうなら、定期的に通ってみたいと思ってる』という言葉はすごく重かった気が気がします。
技術に自信のなかった私は、『せめて、お客様に楽しい時間を過ごしてもらえるように、楽しくお話ししたい』と思っていました。
もちろん、私のコミュニケーション能力が低くて、彼の言葉を引き出せなかった可能性もあります。
でも、質問には答えてくれるものの、口数は少なく、表情の変化も少ない。
そんな彼に話し続けることはできず…
『話すのが嫌なタイプか、私の施術がめちゃくちゃいやかのどっちかだな…』と思い、あまり話さず、施術に集中しました。
知識も技術も全然ない私は、『どうすれば、満足してもらえるだろう?』『どうすれば、この人の腰は楽になるんだろう?』と思いながら、必死に施術していたような気がします。
施術中も、施術後も、彼はほとんど話すこともなければ、笑うこともありませんでした。
私は、『きっと、腰痛は楽にはならなかったんだろうな…』と思いました。
『もしかすると、すごく不快な思いをしたのかもしれない』
『もう、この人はこのお店には来ないんだろうな。可能性をつぶちゃったんだな…』
『もしかすると、怒られるかもしれない』
『あとで、クレームがくるのかもしれない』
いろんなことを考えながら、お客様の反応が恐かったような気がします。
でも、彼はなぜか次回の予約を取って帰りました。
ちゃんと私を指名してくれたのか、それとも、次回予約を取ったことで、なんとなく指名扱いになってしまったのかは覚えていません。
ただ、施術に対して何も言わず、ほとんど反応のなかった彼が、次回予約を取ってくれたのは確かです。
そして、初めて指名扱いになったお客様は、彼でした。
何を気に入ってくれるかなんてわからないから、最後まであきらめずに、笑顔で接客することは大事
今まで、何人もの方にご指名いただきましたが…
この時ほど、何の手ごたえもなく、『本当に私でいいの?』と不思議に思ったお客様はいなかったような気もします。
それくらい、腰痛が劇的に良くなったわけでもなければ、施術への満足度もわからず、会話も弾ます…表情も険しいまま…。
いくら『腰痛がひどいから、マッサージがよさそうなら定期的に通いたい』と考えていたとしても、『え!? 本当に通うの!?』とこちらが驚いてしまうような反応でした。
もちろん、無口なお客様もいれば、施術を気に入ってるのになぜか文句ばかり言うお客様にも出会ったことはあります。
それでも、ある程度は施術での手応えを感じていることが多いので、なんとなく『また来るだろうな』とか『指名してくれそうだな』というのはわかります。
が、今思い出しても『どうしてだったんだろう?』と不思議に思ってしまうんですよね。うん。
ちなみに、彼はこの後、2~3年もの間、定期的に通い続けてくれました。
私は『本当に指名のままでいいのかな?』とずっと不思議に思っていて…何度か『指名で大丈夫なんですか?』『他のスタッフの施術も受けてみますか?』と聞いたことがあります。
でも彼は、何度聞いても『わざわざ聞いてくんなよ』くらいそっけなく、うなずいてくれるんです。
その反応を見て、『あぁ、指名のままでいいんだ…』と感じていました。
※※※
初めてご指名いただいたお客様なので、思い入れがあると言えば、思い入れはありました。
でも、ご指名いただいたという実感もないまま、すごく不思議な初指名だったなと思います。
彼のことを思い出すと…
お客様は何を気に入ってくれるかも、何を感じてるかもわからないので…『あぁ、手ごたえがなかったかも…』と感じても、途中であきらめずに、最後まで一生懸命対応できるといいなと思います。
『また来ようかな』って思っても、施術後にやる気のない態度をとられたり雑に扱われた感じがすると、『ここはもうやめようかな…』って感じることもありますからね。
途中であきらめてしまったら、それは、自分から可能性をつぶすことになるのかもしれないなって。
だから、もし『手ごたえがない』とか『施術が気に入らなかったんじゃないかな?』と不安になったとしても、最後まであきらめずに、笑顔でお見送りできるといいなと思います。
追記|ラッキーパンチでも、そうでなくても…自信につながったのは変わらない
後から思い出したのですが…
彼と関わっていく中で、『初対面の人とか、初めてのお店に行くのが苦手なんじゃないかな?』と思ったことがあります。
なので、もしかすると、この初指名はラッキーパンチだったのかもしれません。
まぁ、これがラッキーパンチであっても、そうではなくて気に入ってキレてたんだとしても…
彼が次回予約を持ってくれたことで、私の自信につながったことに変わりはないので、すごく感謝しています(^^)